20160510

父の携帯から電話がかかってきたが、声の主は本人ではなかった。 昨年末から同じような電話を何度も受けてはいたけれど、これが最後の電話になった。 外出先で倒れ救急車で搬送されたが、病院に着いた時には心肺停止の状態で蘇生の可能性は断たれたとの連絡だった。 前回の救急搬送の時、私の前で発作から意識を失い一時的に呼吸も止まったので、状況は想像できた。

ああ、とうとう来てしまった。 いつかこうなることを覚悟しつつも、もっと長生きして寝たきりの父の介護をしなければならない日々のことの方を心配していたというのに。

思い返せばここ数日の父はあきらかに様子が違っていた。 それらの違和感をつなぎ合わせると、本人は自分のからだのさらなる異変を感じていたのだろうと思う。 そしてなにより、後になって惟神とはこういうことをいうのだろうかと思うような力強く光った顔をしていたので、私にも違和感があった。 「このネギは美味しくなかった」とか「この大和芋は水っぽかった」とか、「トク(祖母)はどんどん駄々っ子になってきたな」などといういつもの会話をその顔で楽しそうに話していた。 その日はそわそわとしてどうしても出かけたそうにしていたため、私は譲って送り出したのだった。 父は嬉しそうに出かけ、そうして帰らぬ人となってしまった。

フラワーエッセンスのプラクティショナー・トレーニング、そしてその後のセッションの中で取り上げた私の問題は父との関係についてであり、 これまでどうしてもひとりで解決できなかったこの問題に、10月以来エッセンスと仲間の手を借りてずっとそのことと向き合っていた。 トレーニングではMarionのまなざしが、何か言い含んでいると感じていた。(彼女は早くにお父様を亡くされていた) 麻奈さんとのセッションが終わってからも状況は一進一退で、良いときと悪い時を交互に繰り返しながら、決別が起きる前に少しずつでも関係を改善しなければと思っていた。

病院からの電話を受け取ったときから、家族でずっとFirst Aidを摂り続けていた。 そして、父に何か贈ろうと思い考えた。 Healing the Cause、Karma Clear?  否、それはもう終わったのだ。 ならば何を・・ 7日から私自身が飲み始めていたほしのしずくのRebirth、そしてFindhornのExaltationをMixしたボトルを作った。 その日は自分で摂り、最後にこっそり棺に納めた。 式の前日、Angel Cardを引くとRespectだった。 すぐに三月のゲームのことを想い出した。

三月、二度目のトランスフォーメーション・ゲームを終えてのNext Stepで現れたカードたち。 1-IMG_4450 最後のカードが Move straight up to next level now! 上がりを意味するカードだった。 セッションで父とのいきさつをずっと聞いていてくれた麻奈さんが「お疲れさまです」と言ってくれたのを見て、 父の死をもってお互いにとっての試練は終わり、次のレベルへ上がったのは父だったのだと理解した。

私はこの数日で父のことがやっと理解で来たと感じていた。 彼は不屈の人だった。 人生の大半の時間を思い通りにならない身体で過ごし、あまりにも不運な状況の中で、誰に求められてもいないけれども自分がするべきだと思うことをずっとやり通そうとしていたのだと。 そして、もう息を吸えない苦しさからも、大量の薬からも開放されたのだから、楽になって良かったとも思えた。

式を終え家族だけになった朝、私は父からのメッセージを受け取った。 あまりにも最後はあっけなく、「じゃーね〜」と逝ってしまった父。 フラワーエッセンスに帰って来たことでこの一連の出来事を私はきちんと理解して受け止めることができたし、必要以上に悲しまずに済んだと思う。 けれども今暫くは、私自身にエッセンスが必要だと思った。 余裕がなくシングルで一本選ぶと、それはGORSEだった。